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Perfume「ポリリズム」、PIXAR/ディズニー映画「Cars 2」世界公開版の本編挿入歌に起用される

http://www.disney.co.jp/cars/news/index.html#n20110510

この度、3人組テクノユニットPerfumeの楽曲が本編の挿入歌として使用されることが決定しました。舞台は日本、ワールド・グランプリ・レース前夜のパーティー会場で流れる曲がPerfumeの大ヒット曲「ポリリズム」。眩いばかりのハイテクと格式高い伝統が融合する摩訶不思議なニッポンを象徴するシーンとなっています。
きっかけは、Perfumeファンのピクサースタッフ。日本でのパーティーシーンの為に日本人アーティストの楽曲を探していたところ、このスタッフの推薦により仮で「ポリリズム」をあてたところ、ポップでキュートな曲調を監督のジョン・ラセターが大絶賛。この夏全世界で公開される「カーズ2」の挿入歌に正式決定し、ディズニー/ピクサーPerfumeの夢のコラボが実現しました。
これまでにも、ハリウッド映画の日本公開用バージョンに日本人アーティストの楽曲が挿入されたことはあったが、今回のように、アメリカはじめ世界中で公開されるバージョンで楽曲使用されるのは稀なこと。まさに、主人公のマックィーンとメーター同様、『カーズ2』と共に“友情”を武器に日本から世界へ飛び出します。


広告代理店が営業をかけて、ハリウッド映画の「日本公開版」の主題歌と称してJ-POP楽曲をエンドロールに捻じ込むくらいのものはそんなに珍しいことではない。最初にこのニュースを耳にしたときも、その類かと思った。しかし、世界70カ国以上で公開されることが決定している国際公開版の本編挿入歌で、全世界で発売されるサントラ盤にも収録、となると、話は全く異なる。Amuse公式サイトが「大変稀な自体(事態)」と誤字でテンパっているのも納得だ。


楽曲起用の経緯については、上のディズニー公式ソースをベースに、報道各社に回す原稿が同じものと思われるため、殆どが同じ内容を書いているが、スポーツ報知だけが詳細に触れている。それぞれの原稿をつなぎ合わせてみるとこうなる。

  1. 使用されるシーンは東京でのワールド・グランプリ・レース前夜のパーティー会場シーン
  2. 日本人アーティストの楽曲を探していた
  3. さまざまな楽曲を映像に合わせて流し検討した
  4. Youtube経由でPerfumeファンになったPixarスタッフが「ポリリズム」を推薦
  5. ビルのネオンなどが輝くまばゆいシーンに、ポップでキュートな曲調がマッチ
  6. ジョン・ラセター監督が楽曲を気に入り起用

ORICON STYLE Perfume、『カーズ2』挿入歌で世界進出
http://www.oricon.co.jp/news/music/87470/


日本でのパーティーシーンのため日本人アーティストの楽曲を探していたところ、ピクサーのスタッフがPerfumeのファンであったことから、監督のジョン・ラセターに提案。監督もポップでキュートな曲調を絶賛し、夢のコラボレーションが実現した。

シネマトゥデイ Perfume、ディズニー/ ピクサー最新作『カーズ2』の挿入歌に決定 「ポリリズム」を監督&スタッフが大絶賛
http://www.cinematoday.jp/page/N0032164


日本でもヒットを記録したPerfumeの楽曲「ポリリズム」が使われているのは、ワールド・グランプリ・レース前夜のパーティー会場。同シーンで流す日本人アーティストの楽曲を探していたところ、Pefumeファンのスタッフが同曲を推薦。仮に「ポリリズム」を当ててみたところ、ポップでキュートな曲調を本作のラセター監督が絶賛し、そのまま挿入歌となることが決定した。

ハリウッドチャンネル Perfumeが世界へ羽ばたく!大ヒット曲「ポリリズム」が「カーズ2」本編挿入歌に/ニュース
http://www.hollywood-ch.com/news/11051002.html


きっかけは、ピクサーのスタッフにPerfumeファンがいたこと。日本でのパーティーシーンのために日本人アーティストの楽曲を探していたが、このスタッフの推薦により仮で「ポリリズム」をあてたところ、ポップでキュートな曲調をジョン・ラセター監督が大絶賛。本編挿入歌に正式決定した。

スポーツ報知 Perfume、ディズニー映画で世界進出…「カーズ2」挿入歌に「ポリリズム
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110510-OHT1T00016.htm


以前から過去の楽曲が「You Tube」で世界中のファンに視聴されていたパフューム。映画を製作する「ピクサー」の中に、その映像を見てファンになったスタッフがいたことが、きっかけとなった。

 パーティーのシーンに使用する挿入歌を決める際、さまざまな楽曲を映像に合わせて流し、検討している中で、このスタッフが「ポリリズム」を選択。それを見たラセター監督が「ポップでキュートな曲調が素晴らしい!」と大絶賛。すぐに使用を決定したという。

サンケイスポーツ Perfumeカーズ2」で世界デビュー
http://www.sanspo.com/geino/news/110510/gnj1105100504004-n1.htm


製作サイドが、このシーンのために日本人アーティストの楽曲を探していた時に、Perfumeファンのスタッフが同曲を推薦したのがきっかけ。映像にかぶせて流してみると、ビルのネオンなどが輝くまばゆいシーンに、ポップでキュートな曲調がマッチ。監督も絶賛し、夢のコラボが実現した。

MSN エンタメ perfumeポリリズム』がピクサー最新作の挿入歌に!
http://movies.jp.msn.com/news/article.aspx?articleid=577805


劇中では日本でワールド・グランプリ・レース前夜のパーティーが行われる際に、本楽曲が使用される。本作を手がけるピクサー社のスタッフの中にperfumeファンがいたことから、仮で映像に『ポリリズム』をあてたところ、ラセター監督が楽曲を気に入り、今回の起用が決定した。

ナタリー Perfume楽曲がピクサー映画「カーズ2」全世界挿入歌に決定
http://natalie.mu/music/news/49127


挿入歌に起用されたきっかけは、ピクサーのスタッフにPerfumeファンがいたため。日本でのパーティシーンということで日本人アーティストの楽曲を探していた際に、このスタッフが仮で「ポリリズム」をあてたところ、ポップでキュートな曲調をジョン・ラセター監督が絶賛。正式に挿入歌に決定した。


PerfumeがブレイクするきっかけとなったAC/NHKのリサイクルCMでは、木村カエラがラジオでパワープッシュした「チョコレイト・ディスコ」をNHKのCMディレクターが気に入ってPerfumeを起用、というストーリーが定説になっている(内部ソースが無いので真偽不明)が、今回も、営業が売り込みをかけた結果の起用ではなく、Pixar内部からの要望、それもPerfumeファンのスタッフの推薦により起用、ということらしい。これもまた、Perfumeファンお気に入りのエピソードの一つとなるだろう。特に、Pixar作品に選ばれるなんて、映画ファンとしても光栄な話だ。
とはいえ、ハリウッド映画で日本の楽曲となると、タランティーノKill Bill」における梶芽衣子「怨み節」「修羅の花」のように監督がベタ惚れな極端な例を別にすれば、日本を舞台とする「Lost in Translation」ですら、小山田圭吾ソフィア・コッポラに勧めた映画の世界観にぴったりなはっぴいえんど「風をあつめて」もエンドロール扱いだし、ハリウッド版「GODZILLA」におけるL'Arc〜en〜Ciel「浸食」(これはサントラ盤には日本盤のみボーナストラックで収録)、これの扱いよりはいい位なのだろう、というのが作品を観る前の今の予想だが、世界発売盤のサントラに収録となると、それなりに印象に残る可能性はほんの少しあるのかもしれない。そう、このサントラ盤はPerfumeの世界デビュー盤になるのだ。


ディズニー/Pixarともなると、当然世界各国のiTMSでサントラ楽曲が配信される。もちろん1作目も配信中だ。*1 一方で、現在もPerfumeの楽曲はiTMSで発売されていない。吉幾三千昌夫までiTMSで売っている徳間ジャパンの積極的な姿勢とは裏腹に、Amuse所属アーティストは、福山雅治サザンオールスターズポルノグラフィティ、そしてPerfumeに至るまで、基本的には発売されていない。常々とんでもない機会損失だと思うのだが、これは、AmuseとKDDIau)の合弁レーベル会社「A-Sketch」の存在がネックになっているのだろう。One Ok RockFlumpool、Weaverなどが所属し、Amuseが楽曲制作を行い、auが着うたやLISMOなどで配信する。となると、iTMSは商売敵だ。サントラに「ポリリズム」が収録される事は報道されているが、iTMSでの配信をAmuseが拒み、サントラがパーシャルアルバムとして発売されるようなことがあれば、目も当てられない。これはいくら金を積んでもそう簡単に取る事のできない宣伝だ。そもそも「ポリリズム」を推したPixar社員も、Youtube経由でファンになったと報道されている。「ポリリズム」はYahoo!動画(現GyaO!ストア)でしか「公式には」配信されていなかった。国内の権利コントロールに翻弄されて、世界規模のサービスを切り捨てるなど機会損失もはなはだしい。


ちなみに今回の報道に合わせて、徳間ジャパンはYoutube公式アカウントで「ポリリズム」@東京ドームを公開した。「モバイル機器で再生不可」という全く意味不明の設定がこれまでの公式動画と同様になされていること、タイトルが日本語で海外から検索できない、という二点を除けば、素晴らしい対応だと思う。この二点については早急に対応して欲しい。




また「ポリリズム」が彼女達にチャンスを与えてくれた。おめでとう。

あ:次の曲が最後の曲です。あの、次の曲は、私達に大きなチャンスをくれた曲です。11年目も、この曲のチャンスを掴んだ時のような、11年目を送りたいと思い、この曲を最後の曲にしました。思いを込めて歌います。聴いて下さい、Perfumeで、「ポリリズム」。





ちなみに、「Cars」のスピンオフ作品「Cars Toon」の東京レース回はこんな感じ。新宿通りのイメージだな。


「Cars 2」公式トレーラー




※追記
Perfume「レーザービーム」PVの設定が何故「女スパイ」なのかというと、スパイに狙われるというストーリーの「Cars 2」起用ありきだったから、ということか。そもそも「レーザービーム」という設定自体がこの初期トレーラーにあったのだな。


「Cars 2」初期トレーラー


Perfume「レーザービーム」




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