Aerodynamik - 航空力学

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観劇記録 「冷たい熱帯魚」(Cold Fish) 日本 2011年公開 R18+



テアトル新宿にて鑑賞。埼玉愛犬家殺人事件をベースにした園子温の衝撃エログロ作品、ということでちょっと観ようか否か迷っていたのだが、「悪魔を見た」を観た後なら何でも見れるという気分になり鑑賞。その結果2日連続で死体損壊映画を観ることになった。


人間の愛と狂気、そして殺人と死体損壊を描くという意味では、タイミング的に「悪魔を見た」といい比較になった。韓国映画が肉体に執着した残虐性をしばしば見せるのに対し、この作品はそういうものがまるで無い。実にあっけらかんとしたものだ。狂気とは余りにも普通に偏在していて、まるで親しみ深いものの様にすら感じてしまう。もうファンタジーコメディと言ってもいいだろう。実際に場内は何度も爆笑に包まれた。この肉体に依存しない恐怖、内心の残虐性のあり方というのは、日本人特有のセンスなのだと改めて感じさせられる。


とにかく出演者全員が圧倒的怪演をみせる。コメディアン”でんでん”の演じる村田のインパクトたるや。後半の常軌を逸してしまった黒沢あすかのエロ過ぎること。
圧倒的に酷くて圧倒的に面白い。とにかく観終わった後に猛烈に疲れて、それでも焼肉を食べに行ってその後セックスしたくなるような、異様なパワフルさをもった、こんな邦画観た事無いと思わせる快作。