Aerodynamik - 航空力学

はてなダイアリーからはてなブログへ移行中

観覧記録 Perfume 3rd Tour 「JPN」@さいたまスーパーアリーナ初日/二日目

http://www.perfume-web.jp/cam/JPN/






最初に断わっておくが、公式サイトに「※本日ご覧になられる方は、この後TOURに参加される方のためにも、曲順などのネタバレはTwitterやブログには掲載しないようご協力お願い致します」*1 との記述があるため、演目については一切触れないつもりではあるが、公演について事前にいかなる情報も知りたくない人は、ここから先を一切読まないで下さい。なぜネタバレ無しでも記事を書くのかというと、今感じた感情は今残さなければ意味が無いからです。この公演がDVDなどで商品化された場合、それを見る事によって、今日肌で感じたことは全てDVDの音声に塗りつぶされ、今日目で見たものは、カメラの理想的な視点と編集により、記憶の上書きが行われるからです。









初日、二日目ともに参加。さいたまスパーアリーナの内部空間は可変であり、収容人数を12,000人から37,000人にまで調節することができる。先日のももいろクローバーZの公演はメインアリーナモード(エンドステージ2)で、収容人数は約10,000人。今回のPerfume公演は、最大スケールとなるスタジアムモードにて開催された。*2 エンドステージ1形式での収容人数は30,000人程。また、このスタジアムモードを使うのは実に数年振り、日本のミュージシャンでもスタジアムモードを利用したのは過去にたった13組だけだという。


個性的なダンスと爆音のダンスサウンド、これが自分の考えるPerfumeのライブの醍醐味であって、この場合、会場のスケールメリットはほぼ無いに等しい。つまり、箱が大きくなればなるほど、ダンスは見えなくなり、スピーカーの音も弱々しいものとなる。これをカバーすべく、照明や演出には他のミュージシャン/アイドルのライブとは全く異なる方向性で力が入れられてきたものの、今回も、30,000人クラスの途方もない巨大空間でのライブであり、東京ドーム公演の現場で感じた虚しさを考えると、正直期待できるものになるとは思っていなかった。しかし、初日、二日目と両方確保したチケットは、初日はステージの向こう正面200レベル、そして二日目はなんとアリーナA7の二桁番台、ステージの目の前にして、V-DOSCラインアレイスピーカーがすぐ上にぶら下がっているという、これまでにない最高の環境を手に入れることが出来た。初日には200レベル正面から俯瞰でライブの全体像を把握しつつ、二日目は最前でPerfumeのダンスとスピーカー下の大音響を堪能できたのだ。


ラインアレイスピーカーの真下での爆音と、目の前で歌い踊るPerfumeの姿を保証された二日目が、十分すぎるほど満足に至ったのは言うまでもない。しかし、ステージから遥か遠い向こう正面の席で見ていた初日が終わった時点での感想は、やはり、「楽しかった」の一言に尽きた。


今回のSSA公演について言えば、Perfumeのライブの箱が代々木第一体育館から巨大化して以降、最もクオリティの高いアリーナライブだったと断言したい。スタジアム級の巨大なスペースに対して空間を満たす圧倒的な光の演出、これは、直角二等辺三角形TOURの時と比較にならない位に大幅に進歩を遂げていた。ダンスが見えない代わりに、照明・レーザーの使い方が非常に巧妙化しており、見る目を圧倒し飽きさせない。アイドルのライブといえば、客席を埋め尽くすサイリウムの光の海が定番だが、今回のツアーから、遂にPerfumeのライブでは「光り物禁止」のルールが敷かれた。禁止を明言しただけあって、見事に想像以上の演出を提供していた。
大多数のレイトマジョリティと少数のアーリーマジョリティへ訴求するバランスの良さと、幾つかの定石を崩す新鮮さを兼ね備えた選曲、そしてアーリーアダプターやクラブミュージックリスナーを興奮させるあの「目玉コーナー(仮)」(TV Bros.出典)、少しずつオリジナリティを注ぎ込んでマンネリ化を回避したPTAコーナー。また、観客との遠くなる一方の距離感のコントロールを、見事な形で実現してみせた。


流石に音に関しては、会場のスケールがあまりにも巨大なため、どうにもならない部分もある。ステージ両端にラインアレイスピーカーとサブスピーカー各二本、そして会場のほぼ中間地点に二本のディレイスピーカーが設置されていたが、後部位置からでは音量は物足りないことこの上なかった。曲によってバランスもバラバラなので比較するのもなんだが、かなり高音・低音をカットして、中音域の量を稼いでいるように感じた。こればかりは諦めるしかないのだが、自分は幸い二日目にラインアレイスピーカー直下の座席を得ることができ、ここに関しては運が良かった。


客層については、驚くほどに若い女性が多く、そして、オッサンの割合が減った。東京ドーム公演と比較しても非常に顕著な変化を感じた。客席の熱量は、直角ツアーよりもさらに下がり、微動だにせず延々と手拍子をする客がさらに増えていたが、それはライブに対してそういう楽しみ方をする層が増えたというだけで、醒めていたわけではなく、むしろ彼女たちは非常に幸せそうに見えた。


ネタバレせず、PerfumeにもMCの内容にも触れずに、取り敢えずの印象だけを書いておくとしたらこの位だろうか。ツアーが終わったらあれこれ書きたいが、今は、とにかく「楽しかった」という気持ちを書き留めておきたいだけだ。




ちなみに、珍しくスタンド花などを記録してみたので、ここから今のPerfumeの東京圏メディアにおける位置などを読み取ってみると面白い。


  • 株式会社フジテレビジョン 常務取締役 鈴木克明
  • フジテレビ バラエティ制作センター プロデューサー 黒木彰一

  • MUSIC-ON! TV
  • MTV Networks Japan

  • 有限会社 ウェイウェイ貿易 グリーンピール本部


CX黒木彰一氏は、「笑っていいとも!」プロデューサー。DSP mediaは、KARAとRAINBOWの所属する芸能事務所。「ウェイウェイ貿易」は、西脇さんが都度愛用している旨を語っている独シュラメック社化粧品の日本総代理店。