http://natalie.mu/pp/cornelius/page/4
Corneliusのリミックス仕事を集めたアルバムのリリースということで、小山田圭吾インタビュー「もしこの曲のリミックスのオファーがきたら、どこから手をつけて、どう仕上げていくのか」より。
◎Perfume「ワンルーム・ディスコ」
(from the single「ワンルーム・ディスコ」)
小:わ、このLEDライトとカラーバーの使いかたは、かなりCORNELIUSに通じてるかも。そこにザ・ベストテンとドリフが入った感じだね(笑)。(歌が入って)あぁ……ディスコがテーマの曲なんだ……。
─何か問題がある?
小:やっぱり彼女たちの曲の特徴って、まずこのオートチューン(ボーカルや楽器の音程を調整する音楽ソフト)を使ったケロケロ声だと思うから、それをかける前の素材をもらって、自分なりの生っぽいボーカルを追求してみようと思ったんだよね。たとえばピッチを補正する前の、丸裸で不安定な声に、アコギ1本だけとか(笑)。ただ、それで「ディスコ」って言葉を連呼してる曲っていうのは……悪夢だよね。
─(爆笑)しかも「ワンルーム・ディスコ」じゃなくて、「四畳半ディスコ」になる危険性もある。
小:(笑)でも、割り切ってそこを目指すしかないかなって気もするな。ミカン箱を叩いた音をスネアにしたり、バスタブの腹を叩いた音をバスドラにするとか(笑)。この曲の歌詞はどんなことを歌ってるの?
─彼氏と同棲していた女の子がひとり暮らしになって、新しい部屋ですることもないから踊ってしまおうみたいな、ちょっと切ない歌詞だと思う。
小:キャンディーズだね。「微笑がえし」だ。ちょっと衣装も似てるし。じゃあアコギは却下。それだと不幸になりすぎるもん(笑)。
─アコギはなしだとしても、やっぱり音を減らしていく方向で考える?
小:そうだね。まずは骨格だけにして、そこに自分の音をあてていくっていうパターンにはなるかな。自分が歌ものをやるときは全部そうだし。……じゃあ、この曲はミニ楽器ばかりを使ったリミックスにしてみようかな。カシオトーンみたいなオモチャっぽい楽器ばかりに限定して、ワンルームの印象をまったく変えてしまうみたいなことができるといいかも。実際のマンションを、レゴの家にするっていうかね(笑)。
「CM3」良かったですよ。Corneliusはアルバムありきで、その手法や素材を再編集するような形でリミックス仕事をするので、リミックスを聴いてからアルバムを聴きなおすと、また色々発見があるのが面白い。
さて、Amuseつながりを知ってか知らずか、キャンディーズ「微笑がえし」が出てくる。そもそも1RDはそういうところを意識した発注だったりするのだろうか。
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35866
徳間はリミックス盤を出す事は考えていないんだろう。Perfume=中田サウンドという確固たるイメージを崩したくないように見える。「bitter」の頃に顕著だった、ダンスサウンドという立ち居地作りの戦略(remix誌インタビュー&アナログ盤プレゼント)からも、現在は遠くなってしまっているので、リミックスを作る理由もないというか。
聴いてみたいとは思うけど、安易に作られてもそれはそれで嫌だという面倒くさいファン心理もある。Daishi Dance/DJ Kawasaki/FreeTempo/i-dep/Jazztronik/Makai/Sound Around/Studio Apartment/Sugiurumnのような面子にリミックスを依頼するような人たちとは一線を置いてほしい。