http://www.tokyonews-webstore.com/tvbros/
あ:あのオープニングはMIKIKO先生がああいう演出にしたいって考えてくださって。「GISHIKI」っていうパートなんですけど、白いドレスを着て歩くのは”私達はPerfumeに人生を捧げます”みたいな意味で。”
大島美幸:へえーーっ!
あ:結婚式じゃないけど、誓いの式を挙げるって言う。
か:Perfumeに嫁ぎますって。
東京ドーム公演のオープニングを飾った「GISHIKI」の演出に触れたのはインタビューではこれが最初か。
か:あの時1〜10まで数字を言ってたんですけど、ちゃんと自分達の動きにも意味があって。3と5と10の数字の時に動きを付けるっていう。
近藤春菜:は〜〜〜っ。
の:うわ、なんか鳥肌立っちゃった。
近藤春菜:えっ、自分で?
あ:やってたじゃん(笑)。意味分かった上でやったじゃん。
の:分かってたけど思い出すと(笑)。
か:”3”で幕を広げたのはファンクラブ「P.T.A.」の3周年。”5”で幕を上げたのはメジャーデビュー5周年。最後”10”でお辞儀をするのは結成10周年っていう意味があって。
「3」がPTA三周年、「5」がメジャーデビュー5周年、という意味付けはちょっと意外。そっちかよっていう。10周年記念公演で、1から10までカウントアップしていくのだから、シーケンシャルに考えたら、「3」年目にインディーズデビュー、「5」年目でメジャーデビューというマイルストーンを示すアクションだというのが自然な受け取り方だと思うよな。
ラジオでも、西脇さんは上と同様の解釈を語っている。しかし、これは所謂「公式設定」ではなく、あくまで西脇さん、というかPerfume三人の解釈ということらしい。
TFM「School of Lock」 101111
−僕、オープニングね、衣装、最初分かんなかったんですけども、白のなんかウェディングドレスみたいなの着られてたじゃないですか。
の:そうですね。ドレスというか、白の象徴的な、はい。
−僕はそれ見て、あ、もう三人は、ほんとPerfumeに嫁いでるんだなって事を・・・。
あ:そうですよ。
−そういうコンセプトだったんですか。
あ:コンセプトとしてそういう風に書かれていたわけじゃないけど、私もそう思ってます。Perfumeに、私達は捧げますっていう。10年捧げてきましたっていうのの象徴です。
の:凄い。
西脇さんの言葉によると、「GISHIKI」とは「Perfumeに人生を捧げる誓いの式」であって、白いドレスとベールはウェディングドレスを意識したものになる。演出をしたMIKIKO先生の意図を聞いてみたいところだが、ドーム公演の冒頭にこれほど印象的なオープニングを持ってきたら、当然その意味を深読みしたくなるところだ。
このオープニングの解釈はあれこれとなされているが、クラシックバレエ作品「ジゼル」にインスパイアされたもの、と考える筋はとても面白い。
踊りが好きな村娘ジゼルと、彼女に身分を隠して愛を交わす貴族のアルブレヒト。しかしアルブレヒトには婚約者バチルダがおり、ジゼルの村にバチルダが現れたとき、何も知らないジゼルはバチルダと「恋愛中同士」ということで意気投合するも、ジゼルを影から想う村の青年ヒラリオンによってアルブレヒトは正体を暴かれてしまう。アルブレヒトはバチルダとキスを交わし、ジゼルはショックの余り死んでしまう、というのが前半の第一幕だ。
そして後半第二幕、ジゼルの魂は森の墓場へ。そこに住む結婚前に死んだ処女達の精霊とその女王は、女性を裏切った男達を死ぬまで躍らせる。ジゼルの霊と再会した貴族アルブレヒトと村の青年ヒラリオンも死ぬまで踊らされることに・・・、というストーリーなのだが。
二幕の舞台となるのは墓場の白い十字架。それはドームのアリーナ上に大きく伸びた白い十字の花道。10周年記念公演のオープニングとは思えないほどに、静かに、厳かに、墓から現れる白いウェディングドレスのジゼル達。ジゼルを躍らせるのは、精霊の女王ミルタ=MIKIKO先生。踊らされるジゼルはまるでマネキンのよう。(そして「シークレットシークレット」へ。) なにより、ジゼルに会いにドームまでやってきた5万人の観客も、女王ミルタによって死ぬまで踊り続けるのだ。Perfumeは観客の命乞いをするが、女王によって踊り続けることを命じられる。そして両者がひたすら踊り続け、力尽きようとするところで朝を迎え、Perfumeの愛によって救われた観客、そして観客を救ったPerfumeもともに救われ、永遠の愛を誓いながら、Perfumeは再び白い墓の中に姿を消していったのだ・・・。
随分とロマンチックな。