Perfumeの海外戦略「キャラは封印、音先行で」@日経エンタテインメント! 2012年09月号
http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/index.shtml
かつて徳間ジャパンの制作本部に置かれたA&R「Team Perfume」。J-POP部門/演歌・歌謡曲部門とは別にPerfume専門A&Rとして作られ、その長は取締役クラスの人物が兼任していた。それだけのアピールもあり、いつの間にかファンコミュニティーにおける「Team Perfume」は、徳間ジャパン内部だけでなく、Perfumeに関わるあらゆる制作部隊、中田ヤスタカ、関和亮監督、MIKIKO先生らを含めた呼称となっていた。
Perfumeが徳間ジャパンからユニバーサルへ移籍したことで、当然この「Team Perfume」部門は解消された。ユニバーサルにおける「Team Perfume」のような組織が作られたという話は特に聞こえてこない。ユニバーサルJの人事異動情報を追っていると、プロダクト・マネージメント本部配下に、「Pプロジェクト」というものがあり、そこがPerfumeを担当しているらしい。しかし、同じ報道に「Fプロジェクト」の名前もあり、P=Perfume、F=福山雅治のような専任チーム、と考えるのは余りに単純な話に思える。 *1
とにかく、「Pプロジェクト」が専任かどうかは別として、Perfumeが扱われている場所であることは確かだ。ここでPefumeのA&Rを担当するのは猪田彰司氏。BIG BANGや2NE1といったK-POP勢の国内マネジメントに携わり、その経験を買われたのか昨年ユニバーサルに入社。ユニバーサルのオーディションに応募できるiPhoneアプリ「UJA」*2のサービスをスタートさせ、*3 その傍らでPerfumeのマネジメントを行っているようだ。
猪田:今年初め、移籍直前に「JPN」ツアーを見て、音の強さを改めて感じました。「レーザービーム」などのアップ曲では照明とパフォーマンス、音楽が融合して、まるでクラブのような盛り上がりになるし、言葉の壁はきっと問題ないなと。実際、J-POPに親しみのあるアジアはもちろん、ヨーロッパのスタッフからも好感触でした。
そこで、キャラクター先行では無く音で勝負しようと、まずは各国での配信からスタートしました。アメリカなどでは特にラジオの影響力が大きく、いい音楽であれば知名度に関係なくヒットする。その国々でのドメスティックアーティストのような存在を目指して、音楽そのものの力を伝えたいと考えました。新曲の「Spending all my time」もビートの聴いたサウンド感は欧米向で、海外進出の布石になると思っています。
同時に立ち上げたグローバルサイトでは、彼女達の音楽性が感じられるクールでカッコいいデザインを目指しています。Webからは、モーションキャプチャーのデータをダウンロードでき、それを使ってPerfumeの動画を自由に作ってもらい、Webで紹介するという試みも。こうした取り組みがきっかけになり、J-POPやテクノファン以外にも彼女達を知ってもらいたいですね。
日経エンタが付けた見出し「キャラ封印」は言い過ぎにしても、キャラ先行ではなく音楽先行というのは当然の話だし、話の内容自体は特に目新しいことは無い。移籍直前の「JPNツアー」を観た、ヨーロッパのスタッフもいて、好感触だったというところくらいか。欧米ね…。
ベタな話だが、Perfumeは中田ヤスタカの音楽単体では成立せず、そこにMIKIKO先生の振付が付き、ステージで披露されてようやく完成を見る。つまり、ライブを観てもらわないことには何も始まらない。ライブを観るまでPerfumeをナメていた、と言ったのはどのスタッフだろう。
VOGUE 2012年11月号
(移籍に際して)
あ:新しいスタッフの皆さんがライヴに来て下さったんですね。その後お会いした時、「実は、ライブを見るまでPerfumeのことナメてました」という話を聞いて(笑)、面白いなって。テレビでしか観ない人がほとんどだと思うんですけど、ライヴで「こんなパワフルなグループだったんだ!」と感じて、もっとサポートしよう、と思って貰えたことが凄く嬉しかったんです。多分、私達のことを“知っててもよく知らない人”ってまだまだ沢山いて。大枠は分かっててもよく知ら無い人達の興味を引いて、ライブに来てもらえるようにしたいですね。
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