これ一冊で「アキバ系」から「モテ系」に変身できる!
立ち読みしかしてないが「これはひどい」と思った。
デザイナーの卵によるデザイン画がずらっと並んでいる。
こんなものいらない。
アキバ系は別にファッションでモテ系になろうとかいう情報は必要としてない。
必要なのは、服装だけで蔑まれないようにする技術なのであって、お洒落とかそんなものはその技術を体得してるやつが趣向の範囲でやればいい。
オタの視点でなくオサレ人間の視点でモノを言っている。こんなの読んで共感できるわけ無い。
なんて事を思って、キーワードなどを巡っていたら、既に討論されつくしていた模様。
これだからはてなは便利だよな。
http://d.hatena.ne.jp/regicat/20051221#1135188150
自分の価値観は最後の砦であり、それを変えることに対しては、魂を売り渡すような、自分が自分でなくなるかのような抵抗をおぼえます。繰り返される「ファッションを楽しむつもりはない、それよりも馬鹿にされずに済む最低限の身だしなみを」という主張はつまり「自分の価値観を変えるつもりはない」という宣言なのです。そのことに思い至らなければ、議論は平行をたどるばかりです。
http://kammyblog.seesaa.net/article/10674255.html
全体を通して,この本は「モテ系を目指したアキバ系」という,想像上の読者(ツチノコやネッシーのような)を対象に書かれているなあという感じがした.もっともっと実地調査をして「どうしてオシャレしようとしないのか」を掘り下げてなければ,相手に響かないような気がした.もっとも,そこまでしてもファッションに金を落とさなさそうな客層だということに気づけば,一時のブームも去ると思うんだけどね.
ここはコメントに著者まで登場、活発な議論が。
http://d.hatena.ne.jp/a666666/20051221
ファッションオタクを自称するひとたちは、ボトムズのDVDBOXに10万出せるのか?という話だ。古いアニメのDVDに10万なんて絶対無理!と思うはずだ。それと全く同じ感じ方なんだ。よさがわからないのだから一円だって出す気にはなれないんだ。そして、よさを知ってもらう、「そんなに悪いもんでもないよ」ってことを伝えるには、この本は掘り下げ方が甘かった。最初に「装う楽しさ」を教えようとしてもダメだ。最初は「シンプルな綿のパンツが必要だから、買え。一万円だ」とか、そういう事務義務した入り方のほうがいいんじゃないか。ファッションの必要性について理屈で納得できない上に感情で反発してる状態なんだから、感情に訴えても無駄だ。手持ちの理屈を上回る理屈で上書きしてやれば、しぶしぶながらも言うとおりにするものじゃないだろうか。「そういう理屈なんだから、仕方がない」と自分に言い訳もできるし。
「ボトムズのDVDBOXに10万出せるのか?」という喩えが非常に判りやすかった。
仮に「アニメには全然興味ないけど、今の職場はヲタしかいなくてアニメの話ができないと人間扱いされないので、とりあえず何から見たらいいの?」みたいな設定があったとして、そいつに「じゃあボトムズDVDBOX買ってみよう!」とかはいえないよな。
「とりあえずガンダム一年戦争をレンタルしてみよう」レベルが本来の入り口。
全く著者と読者の目線が合わない、非常に奇妙な本。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
また自分語り。
大学生までの自分の格好は、とりあえず痩せ体系なので細身=ブーツカットのジーンズ。
穿き潰して色は褪せて、穴も開いていたがまだ穿いた。
あとは愛聴するテクノレーベルのロゴの入ったTシャツとパーカー(ソニテクで当たったTシャツも誇らしげに着ていた)か、アメ横で買ったドイツ軍の野戦ジャケットを一年中着ていた。どちらも洗い晒しでよれよれになっていた。
しかし、自分としては「テクノとミリタリーが好き」という「自分の価値観」を全身で表現しているつもりだった。
そして「そんな個性溢れる俺かっこいい」とちょっと思っていた。
で、「脱オタファッション」のきっかけ。
彼女と付き合い始めて、「もうちょっと小奇麗にして」という要求があり、また社会人になってからミリタリーファッションが周囲に不快感を与える・嫌われることに気付き、しかたなく「脱オタ」というより「脱小汚い」作戦が開始されるにいたり、近所の丸井などで服を買うようになった。
もちろん定価なんかで服買えるわけが無い。バーゲンの時にちょっと覗いてみては、あれこれと試行錯誤を繰り返してみた。
試行錯誤の結果、ここ3年くらい、TommorowLandでしか服買ってない。アウトレットでPaul Smithのジャケット買ったくらいか。それもTommorowLandで売ってるようなシンプルデザインのやつ。
「セレクトショップやブランド物を買っている俺はお洒落だ」と言いたいのではない。「小奇麗で無難」をやろうとしたら自分にはこれしかできなかったのだ。
ヲタ臭が強すぎて、ユニクロや無印ですら安っぽくなってしまい着こなせなかったのだ(コンプレックスのせいかもしれないが)。だからユニクロ以上にシンプルで上品に見えるものを探したが、そういうのが一式まとめて置いてある店がTommorowLandしかなかった。
丸井の若者向けブランドではかっこいいけど小奇麗にはできなかったし、タケオキクチやメルローズなどは選択肢が少なすぎた。
もはやこれは「お洒落」ではない。
本当にお洒落なら、ブランドや値段に関係なく、いい物・自分に似合うものを探す目があるはずだ。
本当にお洒落なら、たかだか「小奇麗で無難」のために、TommorowLandでしか服を探せない俺を笑うだろう。
「監督不行届 (FEEL コミックス)」にもあったが、オタクは選択肢がいくつあってもひとつのものに拘り続ける。シャツを何枚も持っていても、お気に入りのシャツばかり着続けてしまう。
自分も全く同じ。最低限必要な服しか買わないし。「小奇麗」な服を買ってはいるが、中身はヲタそのものだ。
話題になった「脱オタクファッションガイド」も、『脱「オタクファッション」ガイド』であって、『「脱オタク」ファッションガイド』ではない。結局ヲタからは逃れられない。今も顔全体から相変わらずヲタオーラが出まくっているから。
「これ一冊で「アキバ系」から「モテ系」に変身できる!」だと?
ちくしょう。
モテたくて服に高い金を払っているんじゃない。いい年して小汚いと蔑まれないために、無難な格好で固めているだけだ。
ここには「自分の価値観」は存在しない。
周りからなんと言われようと、自分が好きなアイテムを身につけていたときの快感はどこにも無い。
ちくしょう。
スラッシュドットでGeekなTシャツを買いたい。
BLAM!をプリントしたTシャツが欲しい。いまさらAKIRAのTシャツとか着たい。
ドイツ軍の野戦ジャケットがまた着たい。
昔着ていたエウーゴの制服にそっくりなデザインのスキージャケットをまた着たい。
俺は魂を売ってしまったのか?本当のお洒落ってなんだ?