Aerodynamik - 航空力学

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Perfume自身が語るアルバム「⊿」全体の印象@TV Bros. 09年7月11日号

http://www.tokyonews-webstore.com/tvbros/


現時点では最もアルバムを聴き込んでいるであろう3人が語るアルバム全体の印象。

あ:「GAME」があまり枠から外れてないっていうか、その時のPerfumeだったって感じで、今回は次も予感できるような、すごく偏ったアルバムだと思います。超万人受けする〜っていうわけでもないし、新曲とか並べてみても、さらっとしててスーッと全部終わるという。だから大人っぽいし、もう絶対かっこいい!みたいな。


か:あたしは「GAME」が攻めてるなって、すごい思ってたんですよ。それに対し今回は落ち着いてる気がします。冷静な曲っていうか。別に守りに入ってる曲があるわけじゃないし、ガツガツ攻めてる曲があるわけでもない。あたしから聴いて聴いてというよりは、聴きたい人が聴く、みたいな。そこに存在してるっていう感じのアルバムな気がします。


の:多分聴いた人は戸惑うかもしれないですね。聴きどころがそれぞれの曲に多すぎちゃって、新曲ゾーンとか大変だろうなって。でも、何回も聞いて体に馴染んでくると、このアルバムの良さがちゃんと分かってもらえるだろうなと思います。ただ、「Take off」はきっと1回でグッとくるはずです。

「次も予感できるような」。大きな転換期でもあり、また過渡期でもあるのだろう。


攻めていない、万人受けするわけでもない。アルバムをリリースするまで、3人はこのアルバムが評価されるかどうか不安で仕方が無かったのではないだろうか。無事デイリー1位を達成したが、西脇さんの言葉通り「賛否両論」渦巻く中で、これからこのアルバムがどう評価されていくか、そしてツアーで振り付けがついてどう評価が変わるか、非常に楽しみでもある。




インタビュアーと大本さんが面白い事を言っている。

−以前、中田さんが「GAME」をデーパート(百貨店)にたとえていましたが、本作はもう少し高感度な人向けのセレクトショップっぽい印象も受けつつ。「⊿」ってタイトルにもうまく現れてますね。下手に触ってると、痛いよ、みたいな。


の:痛いことに気付かず聴いてくれる人もいそうですね。「I still love U」とか入ってると。

「I still love U」は、アルバム楽曲の持つ「痛み」、それは楽曲の攻撃性や、音楽性に対するハードルの高さなどなのだろう、それらを隠す存在だという、大本さんのコメント。
アルバム後半のクールすぎる流れについていけない人も、このポップな中和剤があれば自然に聴けるのでは、ということか。


個人的には、「I still love U」を最初に着うた先行配信で聴いた時にはその「ベタ」を狙いすぎた方向性にちょっと愕然としたのだが、アルバムを通して聴くと、周りの楽曲に中和されて、それほど極端な違和感までは感じない、そんな逆のイメージに受け取れた。
要するに、ポップスまたはハウス、アルバムを聴く時の自分の立ち位置がどちらか、ということなんだろう。


なぜ07/10の「MUSIC STATION」での歌唱曲が「NIGHT FLIGHT」ではなく「I still love U」なんだろうなと考えていたのだが、これが一つの答えなのだろうか。




このインタビューは他で語られた色々な要素を網羅しているので、普段雑誌を手に取られない方もぜひご一読を。